トレックのマウンテンバイクの中でも、X-Caliber(Xキャリバー)とMarlin(マーリン)の2車種は、マウンテンバイクの中では比較的お手頃な価格ということもあり、人気の高いモデルです。オフロード走行はもちろん、クロスバイク的な街中を走るバイクとして選ばれる方も多い印象があります。今回のブログでは、この2つのモデルのスペックの違いを紹介します。選び方のヒントになれば幸いです。
X-Caliber(Xキャリバー)とMarlin(マーリン)を比較
2022モデルのXキャリバーには2種類、マーリンには4種類のグレードがあります。それぞれメインフレームは共通ですが、フロントサスペンションフォークや、ディスクブレーキシステム、ドライブトレイン、ホイールなど、コンポーネントと呼ばれるパーツ類が異なることで、価格も大きく変わってきます。
フレーム素材の違い
Xキャリバー/マーリン共に、ハイドロフォーミング加工されたトレック独自のアルミ合金を溶接して作られたフレームです。違っているのは、フレーム素材です。Xキャリバーに使われているのは、Alpha Gold Aluminum(アルファゴールドアルミニウム)と呼ばれるアルミ合金、マーリンには、Alpha Silver Aluminum(アルファシルバーアルミニウム)と呼ばれる素材を使っています。
マウンテンバイクに限らず、スポーツサイクルには身長や体格に応じて、フレームサイズを選ぶことが大事ですが、トレックのマウンテンバイクには、スマートホイールサイズと呼ばれる、フレームサイズによってホイールサイズの組み合わせを最適な27.5インチ/29インチと変える仕組みがあり、Xキャリバー/マーリン共にスマートホイールサイズを採用しています。具体的にはSサイズまでが、27.5インチホイール、Mサイズ以上は29インチホイールの組み合わせです。
フロントサスペンションフォークの違い
Xキャリバーには、2つのグレードがあり、マーリンには4つのグレードがあります。この6つの車種毎に異なるフロントサスペンションフォークが組み合わせられています。Xキャリバー9/Xキャリバー8/マーリン8の3車種には、金属のスプリング(バネ)の代わりにエア(圧縮空気)を使用するエアスプリング式のサスペンションフォークを採用。エアスプリングのメリットは軽量さ。デメリットは価格が高くなってしまうことです。
金属製のコイルスプリングを内蔵するサスペンションフォークを使うのは、マーリン7/マーリン6/マーリン5の3車種です。もちろんコイルスプリングにもメリットはあります。例えば、タイヤ(チューブ)の空気圧のように定期的なメンテナンスが必要なエア式と比較すると、コイルスプリング式は同じようなメンテナンスは不要です。もちろん、全てにおいてメンテナンスフリーという意味ではございませんので、そのあたりはお間違いなく。
ドライブトレイン/ブレーキの違い
サスペンションフォークと同様に、ドライブトレイン/ブレーキシステムも、Xキャリバー/マーリンの6車種ごとに違いがあります。近年のマウンテンバイクは、フロントシングルと呼ばれるペダル側のギアには変則機構を持たないものが流行しています。部品点数を減らし、構造をシンプルにすることで、レース中/ライディング中のトラブルを減らすこと、軽量化、操作をシンプルにすることなどを目指しているのですが、その反面、リア側(リアホイール側)のギアが大型化しているのが特徴です。フロントシングルを取り入れているのは、Xキャリバーの2車種(12速)、マーリン8(12速)/7(10速)/6(10速)の3車種です。変速段数は多い方が、様々なシチュエーションでペダリングしやすくなりますが、例えば街乗りなどで使い勝手に差が出ることは、殆ど無いでしょう。
ブレーキは全車種が油圧式のディスクブレーキを搭載しています。ブレーキに関しても、サスペンションフォークや、ドライブトレインと同様に、搭載されるパーツのグレードが異なります。
まとめ
Xキャリバーとマーリンの違いについて書き始めたブログですが、Xキャリバーとマーリンで2つに別れるのはフレーム素材です。ただし、どちらもアルミ合金であることに変わりはありません。そのほかの、フロントサスペンションや、ドライブトレイン、ブレーキなどについては、Xキャリバーの2グレード、マーリンの4グレードで、それぞれ違うパーツが組み合わせられるために、Xキャリバーとマーリンの違いというよりは、各モデルで異なるといったところです。
オフロードを走るために誕生したマウンテンバイクですが、ひとくちにオフロードと言っても、クロスカントリーレース、ダウンヒルレース、エンデューロレース、トレイルライド、街乗りなど、使い方によって、マウンテンバイク選びは大きく変わってきます。乗り方やご予算、気になるポイント、わからない専門用語など、ぜひ店頭にて、ご相談いただければと思っています。